峯風型駆逐艦1番艦「峯風」——諸元と全戦歴、竣工から台湾沖での最期まで

峯風型 · 1番艦(型名艦) · 第二駆逐隊
MINEKAZE 峯風
日本オリジナル設計の型名艦、24年を生き抜いた駆逐艦

舞鶴海軍工廠が建造した峯風型駆逐艦1番艦、この艦型の型名艦。第一次上海事変、日中戦争、紀元二千六百年特別観艦式を経て、太平洋戦争では船団護衛任務に従事。1944年2月10日、台湾沖で米潜水艦「ポーギー」の雷撃を受け戦没した艦の諸元と全戦歴。

SPEC
基本諸元サマリー
TYPE
峯風型 1番艦
DISPLACEMENT
1,215 t
MAX SPEED
39.0 kt
MAIN GUN
12cm単装 × 4
TORPEDO
53.3cm連装(魚雷8本)
FATE
1944.2.10 台湾沖で戦没
艦名峯風(みねかぜ)※「峰風」と表記される場合もある
艦型・番艦峯風型駆逐艦 1番艦(型名艦)
計画1917年度計画(八四艦隊案)
建造所舞鶴海軍工廠
起工日1918年(大正7年)4月20日
進水日1919年(大正8年)2月8日
竣工日1920年(大正9年)5月29日
除籍日1944年(昭和19年)3月31日
類別一等駆逐艦
横須賀鎮守府籍
全長102.6m
基準排水量1,215t(竣工時)/公試1,345t
出力38,500馬力
速力39.0ノット
主砲12cm単装砲 4門
魚雷発射管53.3cm連装発射管、魚雷8本搭載
初代艦長木田新平少佐(1919年着任)
最終艦長今泉正次郎大尉(1943.12.1〜1944.2.10戦死)
所属部隊第二駆逐隊(澤風・矢風・沖風)/第二艦隊第二水雷戦隊他
特記事項竣工から戦没まで24年、20名を超える艦長が代々指揮を執った。1940年、紀元二千六百年特別観艦式に参加
最期1944年2月10日、モタ02船団護衛中、米潜水艦「ポーギー」の雷撃を受け台湾沖(北緯23度00分・東経157度27分)で戦没
HISTORY
峯風 全戦歴タイムライン
1918年4月20日 — 起工
舞鶴海軍工廠にて起工
  • 1917年度計画(八四艦隊案)による建造。峯風型駆逐艦の型名艦として起工された。
1920年5月29日 — 竣工
竣工。横須賀鎮守府に所属
  • 一等駆逐艦に類別され横須賀鎮守府籍に編入。日本海軍初の「日本オリジナル」設計思想による駆逐艦の型名艦となった。
1920年12月 — 第二駆逐隊編成
第二艦隊第二水雷戦隊へ編入
  • 同型艦「澤風」「矢風」「沖風」とともに第二駆逐隊を編成。竣工直後から日本海軍の主力水雷戦隊の一員として艦隊行動に組み込まれる。
1932年 — 第一次上海事変
長江水域の諸作戦に参加
  • この頃、河西虎三少佐が艦長を務め、1931年11月からは同型艦「澤風」の艦長も兼任していた。
1937-1939年 — 日中戦争
華北・華中沿岸での諸作戦
  • 日中戦争における華北・華中沿岸諸作戦に従事。この時期、艦長は数ヶ月から1年程度の周期で交代を重ねていた。
1940年10月11日 — 特別観艦式
紀元二千六百年特別観艦式に参加
  • 横浜港沖で行われた盛大な観艦式に、竣工から20年を経た「峯風」も参列した。
1941年9月15日 — 鎮海警備府編入
対馬海峡方面で哨戒活動
  • 鎮海警備府に編入され対馬海峡方面での哨戒活動に従事。
1942年4-12月 — 佐世保防備戦隊、船団護衛
サイパン・トラック・ラバウルへの護衛任務
  • 4月10日、佐世保防備戦隊に編入。佐世保近海の哨戒活動に従事。
  • 9月25日、サイパン島・トラック島・ラバウルへの船団護衛に出撃。11月12日佐世保帰港、整備・補給後の11月27日再出撃、東シナ海方面で船団護衛・哨戒監視に従事。12月1日佐世保帰港。
1943年 — 東シナ海方面護衛任務
引き続き船団護衛に従事
  • 東シナ海方面での船団護衛任務を継続。12月1日、今泉正次郎大尉が最後の艦長として着任。
1944年2月1-10日
モタ02船団護衛、台湾沖で戦没
  • 2月1日、第一海上護衛隊に編入。2月5日、門司港を出港し高雄までモタ02船団の護衛任務に就く。
  • 2月10日、台湾沖(北緯23度00分・東経157度27分)で米潜水艦「ポーギー」の雷撃を受け沈没。
1944年3月31日 — 除籍
帝国駆逐艦籍より除籍
  • 竣工から24年に及ぶ艦歴が幕を閉じた。
RECORD
峯風 全艦歴まとめ
峯風は1920年に舞鶴海軍工廠で竣工した峯風型駆逐艦1番艦、この艦型の型名艦。竣工直後から第二駆逐隊の一員として艦隊行動に組み込まれ、第一次上海事変、日中戦争における沿岸諸作戦、紀元二千六百年特別観艦式への参加など、戦間期の日本海軍の歴史に立ち会い続けた。太平洋戦争開戦後は佐世保近海警備、サイパン・トラック・ラバウルへの船団護衛、東シナ海方面での護衛任務と、地道な任務を積み重ねる。1944年2月、第一海上護衛隊に編入されモタ02船団の護衛任務についたが、同月10日、台湾沖で米潜水艦「ポーギー」の雷撃を受け戦没した。竣工から戦没まで24年、20名を超える艦長が代々この艦を率いた。
24年の艦歴と、20名を超える艦長たち——峯風型の型名艦として、多くの人々の指揮と献身がこの1隻に積み重なっていた。
輸送船団護衛という最後の任務——太平洋戦争後半、米潜水艦の脅威が増す中、旧式艦であっても護衛戦力として最大限活用され続けた末の戦没だった。

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■ 参考文献・資料

  • ・アジア歴史資料センター(JACAR)海上護衛総司令部戦時日誌・海軍辞令公報(部内限)各号
  • ・『丸スペシャル』第51号 日本の駆逐艦II、潮書房、1981年
  • ・外山操『艦長たちの軍艦史』光人社、2005年
  • ・海軍歴史保存会編『日本海軍史』第7巻、第一法規出版、1995年
  • ・『紀元二千六百年祝典記録・第六冊』
  • ・Wikipedia「峯風 (駆逐艦)」「峯風型駆逐艦」
  • → 【諸元と全戦歴】澤風——竣工から小名浜港の防波堤となるまで
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